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寒い日のおセンチな千家と包容力館林

真相ルート後
館林邸で数年匿われた後に自宅に復帰した千家
その復帰を同僚として(自称)恋人として喜ぶ館林でもちょっと寂しい
という妄想。
行為は済。
白の装束は別世界の派生と認識。
館林様は少将くらいにはなってるよねって思ってる。
です。
_____

幼い姉が振り返って笑った。
『伊織』
自分で作った折り鶴を差し出すと喜んで受け取ってくれた。
そしてまた笑った。
『可愛い鶴ね』




書類仕事に一息つき、千家はぎしりと椅子に深く凭れた。
行儀悪く喉を仰け反らせて伸びをする。
目に入った窓の端が白く曇っていた。
外は随分と寒いらしい。

椅子から立って熱源に近づく。温かい。
人気のない千家邸だが、執務室だけは館林の持ち込んだ電気ストォブで温まっている。
お節介な男だとは思うがとても断る気にはなれなかった。
素直に感謝の意を伝え、館林を仰天させたのは記憶に新しい。
今年の冬は一段と寒い気がするのは千家だけではないはずだ。

そんなストォブの灯りを眺める。
エレキテルによって赤く光る電熱器。
屈んで熱に手を翳しながら耽る。

賑やかな街。
行き交う人々と灯り始めたエレキテル。

千家邸からは見えぬそれらの光景が脳裏に浮かぶ。
目に焼き付けた幸せな國。
千家達軍人が守るべき市井の人々。
大日本帝國という存在。


『伊織』


声が聞こえた気がした。

この寒い日、千家の姉は呪詛の余波によって死んだ。

國の中枢に根付いた黄泉の者が取り除かれ、千家一族に及んでいた歪んだ呪詛は消えた。
呪詛が消えても、呪詛により死んだ者は戻らない。
魂がなくては術式さえ使えない。

「千家、か」

幸せな國に千家家の人間は一人もいない。

世間でいう”孤独”や”寂寥”などという感情を忘れて久しいが、こうして家族の命日を迎えるとやはり何か空白のようなものを感じることがある。己は一体何のために生かされたのだろう。呪詛体という役目が消えてからは特に感じる。何と形容する感情かはわからないが、無気力感が強い。

赤く光る電熱部分に人差し指を伸ばす。
じわじわと強くなる熱。
直に触ったら熱いかもしれない。
他人事のように思う。


「千家っ」
不躾に開けられた扉から館林が入ってきた。
いつの間に邸に入ってきたのだろうか。

「何をしている。危ないぞ」
つかつかと近寄ってきて、電熱器に触れそうになっていた千家の手を取る。

「赤くなっているじゃないか」
そう言いながら熱を持った指先に唇を寄せる。
信じられないくらいに気障な男だ。
千家とて商売上くちには自信があったが、素顔でこれほど気障な男は珍しい。

金糸の髪に碧眼。
異国の風貌を持ちながら、どこまでも日本男児。
かと思えば異国の役者も驚く程の気障な男。

千家は眩しそうに館林を見上げた。
「うん?どうした」
そんな千家の様子を、首をかしげて覗き込む。
「いや」
微かに笑みながら首を振った。
私が死んだらきっとこの男は悲しむのだろう。
悪くないと思った。

「館林少将様。少しお時間をよろしいでしょうか?」
上目遣いに見つめ、熱の抜けぬ指先でそっと館林の顎をなぞる。

「少将はやめろ。……少し、ではない。仕事は全て終えてきた」
触れてきた千家の手を掴み、ぐいと引き寄せる。
冷たい唇にそっと唇を合わせて、食む。
互いの唇を唾液で濡らし合いながら吐息を交換し、深く深く舌を交わわせていく。
熱い舌を噛み合いながらどちらともなくソファへ倒れこんだ。

「んっ…ふ、たて…ぁ」
組み敷かれた状態の千家は、何度も何度も館林の後頭部を掻き乱す。
更なる深みを求めるように。
「珍しい、な、貴様がっ…」
焦るように千家の軍服を肌蹴させていく。
普段かっちりと着込んでいる千家が服を乱しているのを見ると館林は興奮する。
それは千家も同様で、自らが乱してく館林の様子を見るのが嫌いではなかった。
「あ、あっ、く、…ぅ…!」
「千家…!」

奥深くの快楽を何度も暴かれながら、満たされていくものを感じた。
満たされながら、なぜか胸を掻き毟りたくなった。



寝室。
ソファからベッドへと移動し、結局もう一度二人で何度も絡み合った。
汗と精液を拭いとってから、二人は身を近づけて横たわっていた。

「…命日だったな」
ぽつりと館林が呟いた。
「……ああ」

朝一番で千家は墓前を参ってきた。
が、そこには既に美しい花が飾ってあった。
若い女性の喜びそうな、色とりどりの花束。

「………」
口から感謝の言葉は出なかった。
ただ背中をぴったりと館林の胸に密着させて、その脈動を感じた。
「…温かい」
眠りそうな声で。
「……」
館林が千家の身体を両腕でぎゅっと抱きしめた。
足まで絡めてきたので拒否した。
「止めてください少将閣下」
それでも肌は触れ合ったまま。
「きさっ、…………全く可愛くない」
不貞腐れたように呟いて、結局やはり抱きしめる。
包み込むように優しく。

子供なのか大人なのかよくわからないその対応に、千家は微かに笑った。





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ヽ(^ω^*)ノ三ヽ(*^ω^)ノひゃあ

  • クリ山
  • 2014/12/16(Tue)02:20:31
  • 編集
すごくすごくよかった…!!萌え転げた~~~~!!!文章もすごく溶け込む様に入ってきて風景が色つきで見えたよ!!
行儀悪くあくびをする伊織様~♡伊織っぽくないのに伊織っぽい!!
ストォブに指を近づけて自虐行為しちゃう伊織様ほんともうなんなのお尻ペンペンだよ…
ほんとこの駄目な感じになってる伊織様を何とかできるのは開さまなんだなぁってキュンキュンした…伊織のために伊織に怒ってる開様ほんと好き…気障なしぐさも萌え…
エッチが始まってからのとこもよかった…動きが読める感じが素敵…そうにゅう表現は少なかったけどとても満たされた…ハァ
墓参りのくだりもほんといいイイイ!!何も言わない二人…可愛いお花なんて開様に決まってるから…いちいち確認しなくてもわかるんだね…はぁ…
かわいい!かわいい!
じゃれて終わる感じもかわいい…
ごちそうさまでした!

>クリリン

  • ぐる子
  • 2014/12/17(Wed)20:08:10
  • 編集
転がってもらえて嬉しい~~!!
伊織ちゃんって育ち方がちょいと違えばだいぶお行儀悪い子だと思うんだよね…裸族だし…(笑)開様はホント伊織ちゃんのこと心配しまくってるし愛しちゃってると思うの;;恋愛とかっていうよりも同胞とか同志とかそっから派生した絆からの契っていうか;;;;クソゥ、男の世界っていいなぁああ;;;;!!!

ぐる子さぁん♡

  • カミシロ
  • 2014/12/27(Sat)19:28:37
  • 編集
あまりツイッタで浮上タイミング合わなくてお久しぶりです~!
最近フォロワさんの影響で、また館千が気になってきてて、以前の作品を再度読ませて頂こうとしたら新たな館千が沢山(♡∇♡)
ご馳走さまです~続くかも…のものはちゃっかり続きを期待しちゃいますね(゚∀゚)

>カミシロさぁん♡

  • ぐる子
  • 2014/12/28(Sun)21:50:26
  • 編集
お久しぶりです~(´∀`*)
カミシロさんも館千お好きですか♡いいですよね♡♡
拙作も読んでくださっておったのですね。嬉しいです////
気まぐれ更新で申し訳ないです。続くかも…(笑)