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本音を知りたい館林と酔っ払う千家

酔うと普段抑えているものが出るとか出ないとか。
じゃあ千家様は優しさが溢れるんじゃね?と思いました。
二次元だから泥酔してても勃つはず

*補足説明*
帝都エンド後
すでに身体の経験アリな二人
抜け殻千家は館林邸に住んでたけど
最近やっと千家邸に戻った
爺やは二人の関係に薄々勘付いているが何も言わない
あくまで執事ですから
______________



「千家様の本音を知るにはどうしたら良いか、でございますか」



冬のとある休日の昼時。
館林開は爺やに悩みを打ち明けた。

「そうだ。あいつは何を考えているかわからんところが多々あってな。酒を酌み交わすにしても私と似たような強さで酔い潰せんし…」

そう言いながら右手を口元に持ってきてせわしなく唇を触る。
切羽詰まった何かがあったのだろうと爺やは推測した。

「あ、い、いや、別にアレだ、同期のよしみというか、同僚として心配というか、その別に千家が特別気になるとかそういうアレではない」

爺やのしばしの沈黙を何か勘違いしたのだろう、館林が言い訳を並べ立てて両手を慌ただしく振る。爺やは微笑ましく思いながら首をかしげた。

「ふむ。腹を割る……自白剤などいかがでございましょう」
「ううむ、それは少し強硬すぎるな…」

二人は首を捻った。
しばし考えていたが、爺やが閃いたようだ。
ぽんと手を打って頷いた。

「やはり酔い潰すのが良いですな」
「しかし、奴と俺は強さが…」
「そうでございましょうとも。ですから酔いを早く回す薬を使うのでございます」

にっこりと笑う爺や。
そんな薬があるのか?と懐疑的な視線を送る館林。

「何、人体に影響はないと聞きます。手配はこの爺やにお任せくださいませ」

爺やは自分の胸を叩いて大きく頷いた。

***

「ふぅん…」

千家が杯に少し口をつけてぺろりと唇を舐める。

「確かに滅多にない良い酒だ」

館林邸。
館林の自室にて二人で酒を飲んでいる。
舶来の珍しい酒がたくさん手に入ったので飲まないかと誘ったのだった。

寒がりな千家のために暖炉には赤々と火をいれ、ソファにはひざ掛けまで用意した。
酒と共に、爺やの作ってくれたつまみも添えた。

つまみを頼むと、舶来の酒に合わせて洋風のものを合わせてくれた。
ずっと爺やの料理を食べてきた館林でさえ初めて見る料理である。
本当に死角のない執事だと驚いた。

さてそんな至れり尽せりな飲み会。
千家はというと嬉しそうにすることもなく、相変わらずである。

ただ、服装がいつもと違った。
軍服用の白いシャツに灰色のカシミヤ製セェタァ、軍服のズボンを履いている。
セェタァを着て来るなど相当寒いのだろう。
館林はそっと暖炉に薪をくべた。



二人でちびちびと杯を進めていた。
館林も千家もまだ全く酔っていない。

「暖かそうなセェタァだな。自分で買ったのか」
「いや、部下に貰った。実用的なので採用している。…厠を借りる」

さらりと言って千家が立ち去った。
館林は千家の去った方を無言で見つめた。

部下とはあの平岡とかいう男だろうか…。
……いや、そんなことは今はどうでも良い。
薬を仕込むなら今だ。

懐に手を突っ込み、懐紙に包んだ粉薬を取り出す。
千家の飲んでいる酒瓶に薬をパラパラと投入した。
瓶を掴んでくるくると底を回す。
粉が液体に溶け込んだのを確認して瓶を戻した。

なに食わぬ顔で自らの酒をまた飲み始めた。


千家が肩を竦めながら戻ってきた。
「今日は特に冷えるな」
「そうだな。俄羅斯では強い酒を飲んで身体を温めると聞く。彼らに倣って今日は飲もうではないか」

にこやかに酒を勧める。
千家は特に疑うこともなく肯定し、杯を進めた。




「はぁ…なんだかきもちがよい」

千家の様子がおかしい。
ソファの背もたれに全身を預け、両足をソファにあげて三角に組んでいる。
かと思えば急に立ち上がってツカツカ歩き、館林の横にどすんと腰を下ろした。
据わった目で館林を睨みつけ、びしっと左手で指差した。

「たてばやし、きさまー、かほごすぎる!」

館林は確信した。
千家が酔っている。

「そうか、過保護だと思っているか」
「そうだー。わたしはたいりくへいく!そしてめいよのせんしをー」

舌足らずな口調が珍しく……とても可愛く。
思わず口元が緩んでしまう。
話の内容はとても容認できないが。

「で、ぃ、伊織。私のことをどう思う?」

差されたままの指ごと千家の手を両手で包み、ずいと前に出た。

普段は概ね『貴様』と呼ぶのだが、なんとなく今日は名前で呼んでみる。
少しだけ照れくさい。

「うん…?」

首を傾げる千家。
可愛いけれどやはり目が据わっている。

「だから…!私のことをどう、思っている…?」

ぐっと両手に力を込める。
酒のせいだろうか、普段と違い温かい手だった。

「…しんぱいだ。」

およそ千家の口から聞き慣れぬ単語が出てきて驚いた。
思わず聞き返してしまう。

「……なに?」

「きさまはやさしすぎる。まわりにきをつかってばかりでは、すりへってしまう」

「……っ…」

パチパチと炭が小さく爆ぜる。

驚きすぎて声が出ない。
館林の全身に何かが広がっていく。

じんわりと温かいような涙が溢れてくるような嬉しさ。
愛おしくてどうしようもないような衝動。

「…むりはするな」

動けない館林をよそに、千家は館林の両手を両手で握り返した。
温もりを確かめるように、すり、と頬を当てる。
手の甲にそっと柔らかい唇が触れた。
館林はびくりとして我に返り、千家を抱きしめた。

「……馬鹿者が」

ー心配なのはこちらの方だ。



千家が館林の背中におずおずと手を回した。
そして全身を預けてくる。安心しきったように。

愛おしいという言葉をこれほど実感したことはなかった。
ソファに背中をゆっくり預けながら、館林は仰向けに倒れた。
自然、千家もその上に覆い被さって倒れる。

「接吻してくれ、伊織」

見上げて囁く。
千家は視線を少しだけ逸らして、ちらりとまた館林を見る。

「ん…」

唇をつんと尖らせて、館林の唇にそっと触れる。
何度も何度も、柔らかさを確かめるように触れてくる。
散々あれやこれやとしている二人であるのに、まるで子供のような仕草だ。

微笑ましくも焦れてきた。
館林は千家の両頬を包んで唇を寄せる。

「ふふ…こっちだ、伊織…ん…」

「あ、…んん、ふ」

初めは優しく触れ合って舐める。
くすぐったさに開いた口に舌をそっと入れてこじ開ける。
かぶりつくように荒々しく、また優しく舐めて、離れてまたかぶりつく。
二人は何度も口内を犯し合った。






「…明日、千家になんと言い訳しようか」

ベッドで千家を抱きしめたまま横たわっている。
ついつい千家の美しい髪を弄ってしまう。
自分の腕の中でぐっすりと眠る千家を見ていると、胸が満たされる。


「そうか、心配か…」

思わず笑みが漏れる。

明日が休みで良かった。
仕事であったなら、笑いが止まらずに使い物にならないだろう。




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