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開少年と家庭教師の伊織青年②

長くなったので分けました。
なんか思ってたのと違うのになった。
なんかバッドエンドみたいになった。
____________________

「あ、伊織、せんせぇ…!」
「ふふ、今日も元気、だね」

あの日から、授業回数は変わらない。
授業内容はといえば、今までに追加して一科目増えた。
”社会勉強”とでも言うべきか。

伊織も開も着衣のまま、開のみズボンと下着を少しずらされて、伊織の手が妖しく動く。
開は、必死に伊織の肩を掴み、快楽に必死で耐える。
若い身体は、一度知った絶頂を拒絶できなかった。

伊織はというと、事が公けになると不味いとは、やはり思った。
とはいえ、開の性質を考えれば、公けになることはまずないだろうと考えられる。
結局、毎回開を慰めてやり、柄にもない、自らの高まりも楽しんだ。

始めは、一方的に開を慰めているだけだったが、何度も日にちを重ねるうちに、
「僕も、先生のを慰めたいです」
と、開自らが率先した。

今では少年と青年が二人で慰め合うという、いささか滑稽で、大層淫猥な時間を過ごしていた。

「先生…伊織先生…!」

開が、何度目かの絶頂を迎える。
まだ幼さの残る手が、伊織のものを稚拙に慰める。
手練手管はないものの、伊織もとうとう絶頂を迎えた。

ぐったりした開の身体を清め、休ませてやる。
少年の目は、真っ直ぐに伊織を捕らえている。

「先生も、気持ちよかったですか」

純粋でひたむきな開。
伊織は、さりげなく視線を逸らして笑った。

「あぁ」




伊織が、開の専属教師を始めてから1年が経った。
伊織よりも頭一つ半ほど小さかった開は、いつの間にか同じ程度の身長になっていた。

「伊織先生!見てください、追いつきましたね」
伊織の隣に並び、嬉しそうに背を比べる。
身体は大きくなっても、真っ直ぐな瞳は全く変わらぬままだった。

伊織は、控えめに微笑んだ。
「まだまだ、あと少し足りないな」



伊織が専属教師になってから、開の成績は伸び続け、下がることを知らなくなった。
その結果、当主、夫人の両者からの強い要望で、今もこうして授業を続けている。
誰にも秘密、二人だけの科目も。


「ん、こら、やめなさ、っ…あ、」
「先生、気持ちいいっ、ですか?」
すっかり”上手”になった開は、最近は伊織を攻め立てることが多かった。
主導権を握られると、いささか戸惑惑うことが増えた。

「伊織…」
いつしかの少年はすっかり成りを潜め、すっかり大人になっていた。


-この瞳、見たことがある。


始めは遊びのつもりだったが、かつての少年には刺激が強すぎたようだった。
今までにない強烈な印象を残した青年に、幼い彼は恋していると勘違いしているのだろう。

-もう止めた方が良い。

何度もそう思ったが、どうにも上手く止められない。
開の顔を見て、話して、触れられると、どうにも上手くいかない。



さらに時が経ち、開は陸軍士官学校への合格を果たした。


「ありがとう。伊織君の尽力があったからこそ、無事に実を結ぶことができた」


当主と夫人が目の前に座り、深々と頭を下げた。
子爵、しかも若輩の伊織に、ここまで感謝の意を示されると、少し座りが悪かった。

「いえ、ひとえに開君の熱意ゆえの結果です」
頭を上げてください、と謙遜する。


一つ隣には、開が座っている。
「本当にありがとうございます」
伊織に向き直り、開も深々と頭を下げた。

テェブルには、舶来の菓子、紅茶、と豪勢な食品が並んでいた。
「長く続けてもらった授業も今日で最後。少しだが、ご馳走させてくれ」
「たくさん召し上がってくださいね」
当主と夫人が笑う。
顔を上げた開は、机上の馳走に視線を落としていた。
両親に比べ、どうにも本人は浮かない顔だ。

そんな開を横目に、
「ありがとうございます」
伊織は、いただきます、と紅茶を手に取った。



団欒とも言える時間を終えると、夫人が、
「最後ですし、開のお部屋で少し懇談されて行って下さいな」
という、何とも有難迷惑な提案をした。
断る訳にもいかず、伊織は開の私室に入った。


勉強机ではなく、ソファに向かい合って座るのはどうにも違和感がある。
開は、珍しくだんまりとしていた。

「…本当によくがんばった。おめでとう」
「……」
「もう君の教師ではなくなるが、いずれ軍で会うこともあるだろう」
「……」

ぽつりぽつりと会話するも、やはり開は黙ったままだった。
そのまま、伊織も黙った。

開の気持ちは、よく分かっていた。
だからこそ、無駄な慰めも、こうして二人きりになることも不要であったのに。

発端は伊織の軽率な行動ではあるものの、開の気持ちは思春期の風邪のようなものだ。
快楽も恋心も、時間が忘れさせるだろう。

サラリと別れるつもりであったのを、夫人が引き伸ばしてしまった。
開の部屋に入ってから、予感はしていた。


「…あまり長居しても悪い。そろそろ帰っ…!」
「先生っ、俺…っ」
立ち上がろうとした瞬間、ソファに押し倒された。

余裕のない様子で、ズボンを寛げられる。
静かな部屋に、開の息遣いと、衣服の擦れる音が響く。
「俺、…俺はっ!」
泣きそうな顔で伊織を求める。

開の無体に、突き飛ばすこともせず、伊織は受け入れた。
圧し掛かってくる子供の背に、手を回した。
「…どうした?」
ふと手が止まった開に、伊織は問うた。

「違う」
「違うんだ」
伊織の顔の横に両手を突いたまま、開は苦悶していた。
「っ俺は、貴方が、好きなんです」

「…今日で最後だ。好きなようにしたらいい」
伊織は、あくまで表情を崩さない。

「違うっ」
言葉を選ぶ余裕もなく、開はいつものように真っ直ぐと、伊織の目を見下ろした。
「俺は先生が欲しい」

「だから、好きなように」
「そうじゃない!」

開の言わんとするところは理解できた。
だが、応えることはできない。
子供の恋愛ごっこに、付き合う暇はない。

「…っ」
その気持ちを悟ったかのように開は、乱暴に伊織のシャツを肌蹴させた。


「…後悔しても遅いですよ、伊織さん」


男の目をした開は、性急に伊織を貪り始めた。


挿入は無理やりで、愛撫は痛すぎるほど。
その目は一度も伊織から離れず、背筋を粟立たせた。
激しく揺さぶられるたびに、口元に笑みが浮かぶ。


-風邪で済むうちは、何もやらない。


何もかもを犠牲にして堕ちる覚悟があるなら、もう一度私を求めに来い。

「伊織っ、…先生ぇ…、!」






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