千京ワンドロ2014/6/21
1時間で書くやつに参加させていただいた時のやつです。
加筆修正ナシ
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加筆修正ナシ
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ある日、京一郎はとても不思議な体験をした。
移動途中、京一郎の乗った車がテロルにあった。
何やら千家中将とは相容れない主義思想の輩が犯人だったらしい。
後で聞いたことだ。
爆発音。
衝撃を受ける身体。
ふわりと浮き上がる感覚。
ーこんなところで死ぬのか。
ー貴方を独りにできない。
京一郎は強く願った。
千家伊織を独りにしたくないと。
京一郎は目を開けた。
むくりと起き上がって、ぼんやりと辺りを見回す。
いつもの部屋だ。
千家私邸の、千家の寝室。
そのベッドに横たわっていた。
いつの間に眠っていたんだろう。
首を傾げながら立ち上がってはたと気づいた。
おかしい。
私は車で移動していたはずだ。
そして何か爆発に巻き込まれて、そして、…
まさかここは黄泉の世界?
京一郎の作り出した幻なのか?
混乱する頭で、とりあえず寝室を出た。
扉を開けたまま、京一郎は固まった。
「…貴様は誰だ」
伊織がいた。
机に座って本を読んでいたようだ。
ただ、京一郎の知っている伊織ではない。
肩より少し長い程度の髪、京一郎の顎程度の身長。
…十五歳ほどだろうか。
「伊織…?」
京一郎は目を見張ったまま、名前を呼んだ。
どういうことだ。
いったい、なんなんだ。
「僕を殺しに来たのか」
寝室からいきなり見知らぬ軍服の男が出てきたというのに、この冷静な対応。
凍りつくような冷たい眼差し。
紛れもなく千家伊織だった。
「い、いえ、あの、」
なんと説明すればよいのか。
否、できるはずもない。
京一郎にさえ状況が飲み込めていないのだから。
「ふぅん…殺し屋ではなさそう、だな」
京一郎の言動をまじまじと観察して、そう頭を傾ける伊織。
口癖が京一郎の知る伊織と同じで、思わず笑みが零れた。
「ふふ」
そんな様子を見咎められる。
「何がおかしい」
いつもの伊織とあまりにも変わらなくて、京一郎は自然と会話を続けていた。
「いえ、貴方の口癖は相変わらずなんだなぁと思いまして…」
「僕は貴様とは初対面だが」
不思議そうに京一郎を見つめる伊織。
この伊織は、京一郎の事を知らない……
「あぁ…そうでした。そうでしたね…」
微笑んで見せたが、少し失敗した。
「…座れ」
伊織は顎でソファを指した。
傲慢な動作が既に板に付いている。
京一郎は苦笑した。
「ではお言葉に甘えて…失礼します」
伊織に頭を下げてからソファに腰を下ろす。
改めて周囲を見回した。
地球儀に傷がない。
揃っている本が少し違う。
見知った部屋のようで、いつもの部屋ではなかった。
「で?貴様は何者だ」
机に片肘を付いて、伊織が問う。
「私は千家中将の部下で、柊京一郎と申します」
真っ直ぐに伊織を見据えて答えた。
それ以外に何と答えられようか。
「千家…中将?」
父親の事だと思っただろうか。
それならそれで構わない。
「残念だな。千家という名の男子は私一人だ。そして私はまだ軍籍ではない」
伊織は口元を歪めながら京一郎に微笑んだ。
とても冷たい笑みだった。
京一郎は思わず立ち上がった。
「ご両親共に、もう…」
伊織を見つめた。
こんな少年の時代から、ずっと一人で…
「?」
近寄ってくる京一郎を不審げに見つめている伊織。
殺気を感じないからだろうか。
彼が逃げる様子はなかった。
無機質な目。
美しく整っているのに、まるで生気を感じない容貌。
既に死を覚悟している顔。
「伊織…」
京一郎は堪らなくなった。
辛そうな様子がない伊織に、堪らなくなった。
机を回って、伊織の横に立った。
さすがの伊織も立ち上がって、京一郎を見上げた。
「私は貴方の、共犯者です」
そっと伊織の頬を両手で包む。
冷たい。
今と変わらない温度。
「私は絶対、貴方の傍を離れません」
驚いたような伊織の顔が見えた。
柔らかい光に包まれる京一郎。
何が何やらわからないが、この伊織とはこれで最後だ。
それだけはわかった。
「私は絶対貴方の傍を離れません」
もう一度そう言って、唇を重ねた。
ー京一郎
貴方を一人にしたくない。
ふわふわした頭でそれだけを強く願った。
ー京一郎
千家が呼んでいる。
そう思った瞬間、ふっと脳内の靄が晴れる。
ぱちりを目を開ける。
「京一郎!」
少し怒ったような伊織の顔が飛び込んできた。
「………いつもの伊織だ…」
持ち上げようとした手は、千家の手によって強く握られていた。
怒ったような顔して、こんなに私を求めて、本当に…
「ふふふ」
ーしょうがない人だ。
笑いながら起き上がり、動かない千家の頭を抱きしめた。
身体のあちこちが痛かったが、そんなことより。
「伊織、ただいま」
移動途中、京一郎の乗った車がテロルにあった。
何やら千家中将とは相容れない主義思想の輩が犯人だったらしい。
後で聞いたことだ。
爆発音。
衝撃を受ける身体。
ふわりと浮き上がる感覚。
ーこんなところで死ぬのか。
ー貴方を独りにできない。
京一郎は強く願った。
千家伊織を独りにしたくないと。
京一郎は目を開けた。
むくりと起き上がって、ぼんやりと辺りを見回す。
いつもの部屋だ。
千家私邸の、千家の寝室。
そのベッドに横たわっていた。
いつの間に眠っていたんだろう。
首を傾げながら立ち上がってはたと気づいた。
おかしい。
私は車で移動していたはずだ。
そして何か爆発に巻き込まれて、そして、…
まさかここは黄泉の世界?
京一郎の作り出した幻なのか?
混乱する頭で、とりあえず寝室を出た。
扉を開けたまま、京一郎は固まった。
「…貴様は誰だ」
伊織がいた。
机に座って本を読んでいたようだ。
ただ、京一郎の知っている伊織ではない。
肩より少し長い程度の髪、京一郎の顎程度の身長。
…十五歳ほどだろうか。
「伊織…?」
京一郎は目を見張ったまま、名前を呼んだ。
どういうことだ。
いったい、なんなんだ。
「僕を殺しに来たのか」
寝室からいきなり見知らぬ軍服の男が出てきたというのに、この冷静な対応。
凍りつくような冷たい眼差し。
紛れもなく千家伊織だった。
「い、いえ、あの、」
なんと説明すればよいのか。
否、できるはずもない。
京一郎にさえ状況が飲み込めていないのだから。
「ふぅん…殺し屋ではなさそう、だな」
京一郎の言動をまじまじと観察して、そう頭を傾ける伊織。
口癖が京一郎の知る伊織と同じで、思わず笑みが零れた。
「ふふ」
そんな様子を見咎められる。
「何がおかしい」
いつもの伊織とあまりにも変わらなくて、京一郎は自然と会話を続けていた。
「いえ、貴方の口癖は相変わらずなんだなぁと思いまして…」
「僕は貴様とは初対面だが」
不思議そうに京一郎を見つめる伊織。
この伊織は、京一郎の事を知らない……
「あぁ…そうでした。そうでしたね…」
微笑んで見せたが、少し失敗した。
「…座れ」
伊織は顎でソファを指した。
傲慢な動作が既に板に付いている。
京一郎は苦笑した。
「ではお言葉に甘えて…失礼します」
伊織に頭を下げてからソファに腰を下ろす。
改めて周囲を見回した。
地球儀に傷がない。
揃っている本が少し違う。
見知った部屋のようで、いつもの部屋ではなかった。
「で?貴様は何者だ」
机に片肘を付いて、伊織が問う。
「私は千家中将の部下で、柊京一郎と申します」
真っ直ぐに伊織を見据えて答えた。
それ以外に何と答えられようか。
「千家…中将?」
父親の事だと思っただろうか。
それならそれで構わない。
「残念だな。千家という名の男子は私一人だ。そして私はまだ軍籍ではない」
伊織は口元を歪めながら京一郎に微笑んだ。
とても冷たい笑みだった。
京一郎は思わず立ち上がった。
「ご両親共に、もう…」
伊織を見つめた。
こんな少年の時代から、ずっと一人で…
「?」
近寄ってくる京一郎を不審げに見つめている伊織。
殺気を感じないからだろうか。
彼が逃げる様子はなかった。
無機質な目。
美しく整っているのに、まるで生気を感じない容貌。
既に死を覚悟している顔。
「伊織…」
京一郎は堪らなくなった。
辛そうな様子がない伊織に、堪らなくなった。
机を回って、伊織の横に立った。
さすがの伊織も立ち上がって、京一郎を見上げた。
「私は貴方の、共犯者です」
そっと伊織の頬を両手で包む。
冷たい。
今と変わらない温度。
「私は絶対、貴方の傍を離れません」
驚いたような伊織の顔が見えた。
柔らかい光に包まれる京一郎。
何が何やらわからないが、この伊織とはこれで最後だ。
それだけはわかった。
「私は絶対貴方の傍を離れません」
もう一度そう言って、唇を重ねた。
ー京一郎
貴方を一人にしたくない。
ふわふわした頭でそれだけを強く願った。
ー京一郎
千家が呼んでいる。
そう思った瞬間、ふっと脳内の靄が晴れる。
ぱちりを目を開ける。
「京一郎!」
少し怒ったような伊織の顔が飛び込んできた。
「………いつもの伊織だ…」
持ち上げようとした手は、千家の手によって強く握られていた。
怒ったような顔して、こんなに私を求めて、本当に…
「ふふふ」
ーしょうがない人だ。
笑いながら起き上がり、動かない千家の頭を抱きしめた。
身体のあちこちが痛かったが、そんなことより。
「伊織、ただいま」
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