寝ぼけ千家xママ京一郎ほのぼの
千家伊織様のお誕生日2014おめでとうSS
少女漫画ちっくにしてみました。
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普段よりもずっと早くに目が覚めた。数秒目を瞑ってみるが一向に眠りに落ちない。何度か繰り返した後、やれやれと京一郎は布団から起き出した。
せっかく目が覚めたのだから念入りな朝食を用意して差し上げよう。
もちろん我が千家伊織のために。
未だ眠る千家に布団をかけ直し、台所へと向かった。
***
エメラルドグリーンの美しい宝石を持った姉が微笑んでいる。姉様と呼ぶとこちらへと近づいてきて、少女の持つようなぬいぐるみをくれた。それは色彩という色彩を全て纏っていて素晴らしく美しかった。
『本当にこれを私に?』
姉の顔を見上げると、エメラルドグリーンの美しい目が微笑んだ。なんて美しい色なんだろう。惚けていると姉はさらさらと崩れて消えた。不思議と悲しくはない。手元のぬいるぐみがあるから。
眩しいほどに鮮やかなそれを抱きしめて伊織は目を瞑った。鮮やかな色彩がまろんだ光へと変化して伊織を包み込んでいった。全身を水のような膜が覆う。温かくて美しくてとても心地が良くて、ずっとこの中で眠っていたい…
***
京一郎が寝室へ戻ると千家はまだ眠っていた。まだ少し早いが起きても良い時間だ。カァテンをするすると開けて陽光を入れる。とても良い朝だ。
「伊織、起きてください」
ベッドに近づいて声をかける。傲慢な主は寝返りを打って唸る。起きない。
「ほら、朝ですよ」
布団を捲る。肌蹴た寝巻きの襟を正しながら頬を軽く叩く。やはり起きない。
はてと思った。どうしたのだろう。京一郎の傍で熟睡できるといえ、今日は全く無防備な眠り方だ。普段は陽光を浴びた時点で多少意識は浮上するというのに。
「伊織?」
ベッドに片尻を乗せて、先ほどより強く頬を叩く。顔色は悪くないのだが…。何度か叩くとやっと瞼を震わせた。とろりとした目で京一郎を見つめる。まだ寝惚けているようだ。京一郎は静かに見守ることにした。
千家はごそごそと布団から這い上り、ヘッドボォドに背を凭れさせた。そしてやはり京一郎を見つめる。儀式とはまた違う視線だった。熱いというよりは、慈しみを含んだようなまろやかな…。
目を逸らすこともできず、京一郎も千家を見つめた。美しい絹髪が陽光に透けて煌めく。白磁の肌は白く輝き、まろんだ視線が自分に注がれる。その間数秒であろうが、京一郎には長く感じられた。激しい視線には慣れている。厳しい視線にも慣れている。だがこんな、こんな視線は、…止めてほしい。
「……伊織」
照れを隠すかのようにむくれて名を呼ぶ。千家はそんな京一郎を見て微笑んだ。策謀を考えるような笑いではなく、豪快な笑いでもなく、穏やかに柔らかく。
「……っ」
絶句していると、ゆうるりとした動作で京一郎を引き寄せた。抱きしめたまま、頬にかかった髪を指で触り、頬を撫でた。そのまま顎を掬い、接吻するのかと思いきや顎をくすぐってまた頬を撫でる。そんな生温い動作を繰り返す。
「い、伊織…!」
抱きすくめられたまま見上げると、再び目を瞑ってしまっていた。完全に寝惚けている。羞恥に耐えられず、京一郎が力技に出ようとしたとき、くん、と頭を嗅がれた。
「…日の匂いがする」
ふふ、と笑ったのを最後に、千家はそのまま寝息をたて始めた。
「……信じられない…」
これでは身動きが取れないではないか。
まったく甘えたな魔王様だ。
耳まで熱くしながら、京一郎は千家の胸に顔を埋めた。
少女漫画ちっくにしてみました。
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普段よりもずっと早くに目が覚めた。数秒目を瞑ってみるが一向に眠りに落ちない。何度か繰り返した後、やれやれと京一郎は布団から起き出した。
せっかく目が覚めたのだから念入りな朝食を用意して差し上げよう。
もちろん我が千家伊織のために。
未だ眠る千家に布団をかけ直し、台所へと向かった。
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エメラルドグリーンの美しい宝石を持った姉が微笑んでいる。姉様と呼ぶとこちらへと近づいてきて、少女の持つようなぬいぐるみをくれた。それは色彩という色彩を全て纏っていて素晴らしく美しかった。
『本当にこれを私に?』
姉の顔を見上げると、エメラルドグリーンの美しい目が微笑んだ。なんて美しい色なんだろう。惚けていると姉はさらさらと崩れて消えた。不思議と悲しくはない。手元のぬいるぐみがあるから。
眩しいほどに鮮やかなそれを抱きしめて伊織は目を瞑った。鮮やかな色彩がまろんだ光へと変化して伊織を包み込んでいった。全身を水のような膜が覆う。温かくて美しくてとても心地が良くて、ずっとこの中で眠っていたい…
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京一郎が寝室へ戻ると千家はまだ眠っていた。まだ少し早いが起きても良い時間だ。カァテンをするすると開けて陽光を入れる。とても良い朝だ。
「伊織、起きてください」
ベッドに近づいて声をかける。傲慢な主は寝返りを打って唸る。起きない。
「ほら、朝ですよ」
布団を捲る。肌蹴た寝巻きの襟を正しながら頬を軽く叩く。やはり起きない。
はてと思った。どうしたのだろう。京一郎の傍で熟睡できるといえ、今日は全く無防備な眠り方だ。普段は陽光を浴びた時点で多少意識は浮上するというのに。
「伊織?」
ベッドに片尻を乗せて、先ほどより強く頬を叩く。顔色は悪くないのだが…。何度か叩くとやっと瞼を震わせた。とろりとした目で京一郎を見つめる。まだ寝惚けているようだ。京一郎は静かに見守ることにした。
千家はごそごそと布団から這い上り、ヘッドボォドに背を凭れさせた。そしてやはり京一郎を見つめる。儀式とはまた違う視線だった。熱いというよりは、慈しみを含んだようなまろやかな…。
目を逸らすこともできず、京一郎も千家を見つめた。美しい絹髪が陽光に透けて煌めく。白磁の肌は白く輝き、まろんだ視線が自分に注がれる。その間数秒であろうが、京一郎には長く感じられた。激しい視線には慣れている。厳しい視線にも慣れている。だがこんな、こんな視線は、…止めてほしい。
「……伊織」
照れを隠すかのようにむくれて名を呼ぶ。千家はそんな京一郎を見て微笑んだ。策謀を考えるような笑いではなく、豪快な笑いでもなく、穏やかに柔らかく。
「……っ」
絶句していると、ゆうるりとした動作で京一郎を引き寄せた。抱きしめたまま、頬にかかった髪を指で触り、頬を撫でた。そのまま顎を掬い、接吻するのかと思いきや顎をくすぐってまた頬を撫でる。そんな生温い動作を繰り返す。
「い、伊織…!」
抱きすくめられたまま見上げると、再び目を瞑ってしまっていた。完全に寝惚けている。羞恥に耐えられず、京一郎が力技に出ようとしたとき、くん、と頭を嗅がれた。
「…日の匂いがする」
ふふ、と笑ったのを最後に、千家はそのまま寝息をたて始めた。
「……信じられない…」
これでは身動きが取れないではないか。
まったく甘えたな魔王様だ。
耳まで熱くしながら、京一郎は千家の胸に顔を埋めた。
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