自暴自棄な千家と心配性な館林
PC真相√(ミサキのやつ)の館千ネタ。
そのうちpixivにもうpしようと思ってるやつ。
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そのうちpixivにもうpしようと思ってるやつ。
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あの出来事から半年ほど。
ビロォドの絨毯を敷き詰めた廊下をどすどすと歩く足音が聞こえる。
怒り心頭といった様子だ。
あの男だろう。
「千家ェ!」
乱暴にドアが開かれた。
ベッドに座ったまま、目線だけそちらに向ける。
「五月蝿い」
冷たく呟いた後、千家は手元の本に視線を下ろした。
「貴様、まだ大陸行きを諦めんか!」
館林が書類を床に叩きつける。
あぁ、私の書いた嘆願書をまたしても持って帰ってきたようだ。
よくもまぁ飽きないことだ。
「なぜ貴様が怒ることがある?」
千家は心底不思議そうに問いかけた。
千家が大陸に渡ることで國に利益こそあれ、この男には害のあるはずもない。
むしろ、千家という荷物がなくなる。
千家はあの出来事で呪詛体という運命から解き放たれた。
と、同時に異能としての力は著しく弱まった。
そして、体力も、生きる気力もなくしていた。
昂后陛下…いや、あの蛇性の妖怪が消えてから、術式推進派は軍内での地位がことごとく下がった。
千家も同様だった。
部下はみな離れ、千家自身の権力はもはやないに等しい。
何もかも失った千家を見かねたのか、館林は抜け殻の千家を屋敷に連れ帰った。
情の篤い館林のことだ、旧友のよしみとでも思ったのだろう。
居心地が悪いほどの手厚い看護を受けた。
千家も最初は拒んだが、あまりにしつこいので館林の思うままにさせた。
そのうち出される食事を摂るようになった。
ぼんやりと虚空を見て過ごすのをやめ、こうして読書するようになった。
そして、大陸へ渡りたいと思うようになった。
久しぶりに持った野望とでもいうべきものだ。
だのに館林はそれを邪魔する。
いったいどうしたことだ。
元気 になれとばかりに看護していたのは館林だろうに。
「き、さま…!私が貴様を助けたのは死地に赴かせるためではない!」
嘆願書はもう何度も出しているが、館林がこうも激昂して部屋を訪れたのは初めてだ。
とうとう堪忍袋の緒が切れたのかだろうか。
幼い頃から見知っている男の顔を見る。
こめかみの血管が破裂しそうだ。
千家はぼんやりとそう思った。
「ふうん…解せぬな。大陸には既に我が國の兵士が多く渡っているではないか。貴様が私に否という理由がどこにある?」
館林はぐっと言葉に詰まる。
「私はいまだ術式作戦を強く支持している。國内に留まれば、再び権力を掌握しようとするぞ?」
館林の反応が面白く、ついつい言葉を重ねる。
「そ、それでも」
そうだ。
私の言葉に翻弄されろ。
そして、諾と言 え。
私の大陸行きを認める、と。
私の大陸行きを認める、と。
「天司様の懐刀である貴様に妬心を募らせ、寝首をかくやもな?」
挑戦するような目で館林を見上げた。
「ふ…」
館林は脱力したように笑った。
千家は小首を傾げた。
何が可笑しいのか。
「貴様はそんなことはしない。絶対にだ」
先程までの激昂はどこへやら、館林は笑みを含んで言った。
「なぜそう言い切れる」
千家は少し不満気に返した。
この男の、このような所が苦手だ。
他人を髄から信じる、この純粋さが。
「貴様は恩を仇で返す輩ではない。それくらいは私にもわかる」
千家は呆れた。
あれほど自分と対立していたというのに、どうして館林は自分をこれほど信用しているのだろう。
「 …貴様ほどの阿呆は見たことがない」
ため息をつくように千家は呟いた。
手元の本を見る。
ページを捲るが、内容は頭に入ってこない。
「照れているのか、千家?」
館林がからかうように声をかけてくる。
「黙れ」
絶対零度の声音で千家は言い放つ。
誰が照れてなどいるものか。
ただ、館林に呆れているだけだ。
千家はもう一度息をついた。
その時、ずきりとこめかみが痛んだ。
呪詛体であった後遺症なのか、このような原因不明の頭痛、嘔吐感や倦怠感が襲ってくることがままある。
「…私はもう少し眠らせてもらう。出て行ってくれないか」
さすがの千家も身の程は弁えている。
この屋敷の主は館林。
少し気を遣った物言いにした。
「どこか痛むのか?」
出て行けと言うのに、館林は近寄ってきた。
千家の不調を察したらしい。
ズキンズキンと鋭痛が増す。
「…っ…大丈夫、だ」
呪詛体だったときを思えば。
これしきの痛み、耐えられる。
もっと酷い痛みを経験してきた。
ずっと一人で。
これからも…
「痛むのか、千家?横になれ」
館林は千家の内情など知らず、肩に手を置いた。
「触る、なっ…」
千家は館林の手を払おうとしたが、力が入らない。
「馬鹿者、無理をするな」
館林は苦笑した。
館林にされるがままに、千家はベッドに横たわった。
柔らかな布団、枕。
千家の家とて同じように高級なベッドだったはずなのに、ここのベッドはさらに柔らかく感じる。
重力で体が沈み込む。
意識が朦朧とし、浮遊感に包まれる。
しかし、頭の痛みだけは明確だった。
「早く良くなれ、千家」
千家の額には汗が滲んでいる。
秀麗な眉根は苦痛に歪み、皮肉な笑みをたたえるはずの口元は辛そうに、浅く息を吐いている。
館林は千家の汗を手ぬぐいで拭った。
血の気の引いた顔。
千家の境遇を思えば、館林の胸は痛む。
呪詛体にされたおかげで家族は全滅し、自身もこうして後遺症に苦しんでいる。
求心力の高さゆえに狂信的な部下はいるが、それは千家の孤独を癒さなかっただろう。
柊を異常に求めていたのも、能力はもちろん、根底には孤独があったのではないか。
館林はそう考えている。
もちろん、國のため、それが一番であるのは確かだ。
千家は真実、國を何より重要としている。
だが…
千家と同等かそれ以上の異能を持った青年。
まっすぐで純真で、國のためなら命さえも惜しくないと言い放った。
千家はシンパシィを感じたに違いない。
あるいはこの青年ならば、千家に寄り添ってくれるのではないかと。
ともに孤独になってくれるのではないかと。
無意識のうち、柊に期待していたのではないか。
無意識のうち、柊に期待していたのではないか。
館林は苦しむ千家を見下ろした。
麗しい外見、知能・身体能力ともに高く、志は高い。
これほどの逸材であるのに、あのお方に壊された。
館林は怒りを禁じえない。
「千家…」
館林は、千家の額を撫でた。
見た目以上に滑らかな肌だ。
少しでも千家の痛みが和らぐように、何度も何度も撫でた。
ふつふつと千家への慈愛が満ちてくる。
同情か、憐憫か。
この男を見ているのが辛い。
痛ましいほどの孤独。
何より辛いのは、千家自身が自分の孤独を自認していないということだ。
孤独を認めないまま、大陸へ渡って死のうとしている。
館林は、幼い頃の千家をふと思い出した。
幼い頃も同じように、一人で苦しんでいた。
一人で、耐えていた。
…許さない。
一人で、耐えていた。
…許さない。
孤独のままに死にゆくなど、館林は絶対に許さない。
頭痛が和らいできたのか、千家の呼吸は深く穏やかになっていった。
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この記事にコメントする
みーつけた!!
こんばんはー(*´д`*)
久しぶりに支部来たらサイト見つけて小躍りしてますー
このお話好きだ…
誰も触れなかったミサキ√の館千…♡
二人の運命はどこまで行っても交わらないけど、
かえってその潔さがいいですね…
ぐる子さんすごいなあ…
アンソロも期待してますー(゚∀゚)ノシ
久しぶりに支部来たらサイト見つけて小躍りしてますー
このお話好きだ…
誰も触れなかったミサキ√の館千…♡
二人の運命はどこまで行っても交わらないけど、
かえってその潔さがいいですね…
ぐる子さんすごいなあ…
アンソロも期待してますー(゚∀゚)ノシ
>ゆうさん
- ぐる子
- 2014/05/16(Fri)12:34:49
- 編集
ゆうさんこんにちは!!
わざわざ来ていただいてコメントまで…!
うれじぃです、ありがとうございます;;
ミサキ√は館千が気になって気になってw
つい書いてしまいました~~(´▽`*フフ
ひぃ!アンソロ…!!
頑張ります!!!
私もゆうさんのイラスト楽しみにしてますね////
わざわざ来ていただいてコメントまで…!
うれじぃです、ありがとうございます;;
ミサキ√は館千が気になって気になってw
つい書いてしまいました~~(´▽`*フフ
ひぃ!アンソロ…!!
頑張ります!!!
私もゆうさんのイラスト楽しみにしてますね////
館千ご馳走さまです!
- カミシロ
- 2014/06/23(Mon)22:25:46
- 編集
ぐる子さん、館千を求めてお邪魔しにきてしまいました\(^o^)/
美味しい…美味しいですね千家様を伊織ちゃんと呼びたくなりますww
真相ルートでは呪詛体としての詛いが解けて、一番状況的には幸せなハズなのに京一郎が居ない…と涙を流したものですが、館林様が千家を甘やかしてくれるとは(≧∀≦) ホントに理想的です♡ 幸せになって欲しい…館千!
美味しい…美味しいですね千家様を伊織ちゃんと呼びたくなりますww
真相ルートでは呪詛体としての詛いが解けて、一番状況的には幸せなハズなのに京一郎が居ない…と涙を流したものですが、館林様が千家を甘やかしてくれるとは(≧∀≦) ホントに理想的です♡ 幸せになって欲しい…館千!
>カミシロさん
- ぐる子
- 2014/06/24(Tue)22:21:14
- 編集
コメントまで頂きまして…!
ありがとうございます><
真相√の館千おいしいですよね;;
本編終わった瞬間からハァハァしておりました;;
私も伊織ちゃんとときどき呼んでおります(笑)
やっと呪詛から解放されて、これはもう館千で幸せになるっきゃない✩って感じですね…館林様なら千家様を甘やかせて幸せにしてくれると思うのです…!ほんと幸せになってほしいですね;;
ありがとうございます><
真相√の館千おいしいですよね;;
本編終わった瞬間からハァハァしておりました;;
私も伊織ちゃんとときどき呼んでおります(笑)
やっと呪詛から解放されて、これはもう館千で幸せになるっきゃない✩って感じですね…館林様なら千家様を甘やかせて幸せにしてくれると思うのです…!ほんと幸せになってほしいですね;;
