普通に鰻を食べる館林と千家
大変残念ながらぬるぬる鰻プレイ等はないです。
平和な世界。
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軍服を着た千家と館林が、街を歩いている。
見目麗しい二人の将校は、周囲の視線を釘付けにしていた。
二人で並んで街を歩くなど、かつては考えられないことだった。
こうして歩いていること自体が、事件からの時間の経過を思わせた。
「千家、今日は鰻でも食うか」
「いらん」
「一人ではつまらん」
「貴様の部下と行けばいい」
「部下達はそれぞれ用事がある」
「知らん」
「爺やが作るうな重は美味いぞ」
「いらん」
「食後には運動を」
「いらん」
「なぜそれほど頑なになる。私と貴様は既に懇ろの仲…」
「…館林殿!今は勤務中ゆえ、私語は謹んでいただきたい」
「よし、夕飯は鰻だぞ」
「はぁ」
小声でやり取りされているこの会話は、周囲の女性たちには聞こえていない。
彼女らは、ひそひそと話す二人の美男を見て心をときめかせていた。
「素敵…」
「眩しすぎて目が潰れそう」
「何をお話されているのかしら」
「きっと難しいお仕事のことよ」
「眉間に皺を寄せた千家様もお麗しいわぁ…」
「はぁ…天から遣わされた聖者のよう…」
二人が鰻と性の話をしているとも知らずに、そんな声が飛び交う。
群集の割れ目を抜け、二人は三宅坂へと帰って行った。
夜、館林邸。
「さぁ召し上がってくださいませ」
にこやかな老執事が、二人分のうな重をテェブルに置いた。
「うむ。いただきます」
「…いただきます」
快活な館林と、陰気な千家、それぞれ手を合わせてから食べ始める。
「うまい!」
がつがつと元気よく食べる館林。
一方、上品に一口ずつ進めていく千家。
もともと量をあまり食べないので、一口も小さい。
「千家様。お口に合いますでしょうか」
老執事が穏やかに問う。
普通ぶしつけなことは聞かないのだが、千家に対しては比較的にこのようなことを言ったりする。
視線を落としながらも、ちらりと老執事を見てから言う。
「…ええ。美味しい、です。」
何度ここで食事をしても、和やかな雰囲気にいつまで経っても慣れない千家は、それでも律儀に返事をする。
館林は、千家のこういうところをとても好ましく思う。
そしておそらく、爺やも同じ風に感じているのだろう。
館林との仲については良くは思っていないだろうが、何も言わない。
二人の汗と精液で濡れたベッドシィツの上。
全裸の館林が、同じく全裸の千家を抱きしめて横たわっている。
「美味かったろう?」
「ああ」
「爺やの作るうな重ほど美味いものを、私は食ったことがない」
「そうだな」
「貴様が残した分は明日、卵でとじてくれるらしいぞ」
「……」
「まぁ気にするな。客人の貴様の分だけ量を減らすこともできん。残すことは想定内だと言っていたぞ」
「…ふうん」
館林が千家の髪を梳く。
さらさらと落ちて、それでいて指にしっとりと馴染む髪質。
あまりに心地が良くて笑ってしまう。
不意に笑った館林を見て、千家が不思議そうにそちらを見た。
「なんだ」
「いや。なんでもない」
「……おい。その、硬いものが当たっているが」
「生理現象だ…」
「あ、おいっ……」
完
平和な世界。
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軍服を着た千家と館林が、街を歩いている。
見目麗しい二人の将校は、周囲の視線を釘付けにしていた。
二人で並んで街を歩くなど、かつては考えられないことだった。
こうして歩いていること自体が、事件からの時間の経過を思わせた。
「千家、今日は鰻でも食うか」
「いらん」
「一人ではつまらん」
「貴様の部下と行けばいい」
「部下達はそれぞれ用事がある」
「知らん」
「爺やが作るうな重は美味いぞ」
「いらん」
「食後には運動を」
「いらん」
「なぜそれほど頑なになる。私と貴様は既に懇ろの仲…」
「…館林殿!今は勤務中ゆえ、私語は謹んでいただきたい」
「よし、夕飯は鰻だぞ」
「はぁ」
小声でやり取りされているこの会話は、周囲の女性たちには聞こえていない。
彼女らは、ひそひそと話す二人の美男を見て心をときめかせていた。
「素敵…」
「眩しすぎて目が潰れそう」
「何をお話されているのかしら」
「きっと難しいお仕事のことよ」
「眉間に皺を寄せた千家様もお麗しいわぁ…」
「はぁ…天から遣わされた聖者のよう…」
二人が鰻と性の話をしているとも知らずに、そんな声が飛び交う。
群集の割れ目を抜け、二人は三宅坂へと帰って行った。
夜、館林邸。
「さぁ召し上がってくださいませ」
にこやかな老執事が、二人分のうな重をテェブルに置いた。
「うむ。いただきます」
「…いただきます」
快活な館林と、陰気な千家、それぞれ手を合わせてから食べ始める。
「うまい!」
がつがつと元気よく食べる館林。
一方、上品に一口ずつ進めていく千家。
もともと量をあまり食べないので、一口も小さい。
「千家様。お口に合いますでしょうか」
老執事が穏やかに問う。
普通ぶしつけなことは聞かないのだが、千家に対しては比較的にこのようなことを言ったりする。
視線を落としながらも、ちらりと老執事を見てから言う。
「…ええ。美味しい、です。」
何度ここで食事をしても、和やかな雰囲気にいつまで経っても慣れない千家は、それでも律儀に返事をする。
館林は、千家のこういうところをとても好ましく思う。
そしておそらく、爺やも同じ風に感じているのだろう。
館林との仲については良くは思っていないだろうが、何も言わない。
二人の汗と精液で濡れたベッドシィツの上。
全裸の館林が、同じく全裸の千家を抱きしめて横たわっている。
「美味かったろう?」
「ああ」
「爺やの作るうな重ほど美味いものを、私は食ったことがない」
「そうだな」
「貴様が残した分は明日、卵でとじてくれるらしいぞ」
「……」
「まぁ気にするな。客人の貴様の分だけ量を減らすこともできん。残すことは想定内だと言っていたぞ」
「…ふうん」
館林が千家の髪を梳く。
さらさらと落ちて、それでいて指にしっとりと馴染む髪質。
あまりに心地が良くて笑ってしまう。
不意に笑った館林を見て、千家が不思議そうにそちらを見た。
「なんだ」
「いや。なんでもない」
「……おい。その、硬いものが当たっているが」
「生理現象だ…」
「あ、おいっ……」
完
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